能登半島地震に伴う七尾大田火力発電所への影響
七尾大田火力発電所の現況
「令和6年能登半島地震」の影響により、七尾大田火力発電所1号機、2号機では、ボイラーの管に変形・割れ等の損傷を広範囲にわたり確認したほか、タービンおよび発電機の軸受部の部品、電気集塵器の碍子などにも損傷を確認いたしましたが、復旧工事を進め、2号機については、5月10日、運転を再開しました。
1号機については、補修作業にあわせ当初より予定していた定期検査を実施し7月2日、運転を再開いたしました。
【地震発生前の七尾大田火力発電所】
発電設備の主な損傷
ボイラーの管やタービン、発電機の軸受け部品(油切り)、電気集塵器の碍子などが損傷しました。
1号機の損傷状況(5月10日現在)
1号機については、夏季の高需要期までの運転再開を目指して復旧工事を実施中
2号機の損傷状況(5月10日現在)
2号機については、損傷個所の補修作業を完了し、ボイラーやタービンなど機器の運転確認や試験を行い、補修後の健全性を確認したことから、5月10日、運転を再開しました。
発電所内の主な設備、構内の損傷状況(写真は全て1月4日の状況)
払出機
石炭の払出機(貯炭場に保管された石炭を発電設備へ運搬する装置)1台が倒壊
<復旧状況>(5月10日現在)
復旧方法を検討中
積付払出機
積付払出機2台のうち1台に沈下が認められましたが、もう1台については大きな損傷はありませんでした。
<復旧状況>(5月10日現在)
沈下した箇所を盛土、整地済み
揚炭機<アンローダー>
石炭船で海上輸送された石炭を、船から発電所へ荷揚げする「揚炭機」2台のうち1台が、走行レールの変形・脱落により走行車輪が脱輪し、損傷しました。脱輪していない1台については、点検を行い大きな損傷はありませんでした。
<復旧状況>(5月10日現在)
走行車輪の脱輪を復旧済み
煙突
高さ200mの煙突上部で、煙突を支える部材の一部である「支持鉄塔斜材」に座屈や破断がありましたが、煙突としての機能に問題はありません。
<復旧状況>(5月10日現在)
支持鉄塔斜材を補修中
発電所の構内道路
構内の道路は、陥没や亀裂などが多数発生しました。
<復旧状況>(5月10日現在)
陥没した箇所を盛土・補修済み
主変圧器
主変圧器に取り付けられている保護装置の一つである放圧装置が作動し、変圧器内部の絶縁油の一部が排油管より排出されました。
なお、発電所構外への絶縁油の流出はありません。
<復旧状況>(5月10日現在)
放圧板を取替え済み