事故を未然に防ぐ
事故は、ちょっとした気のゆるみや判断ミスによって起こります。
クレーン車等による電気事故は特に規模が大きくなったり、また人命にかかわる場合が多いので、事故が起こってから対策を施しても何も意味がありません。したがって事故を未然に防ぐということが最も重要になり、そのためにいくら注意をしてもしすぎということはありません。
特に「これくらいクレーンと電線が離れているから大丈夫だろう」といった安易な考えは非常に危険ですので、工事場所の近くに電線があるときは、必ず電力会社に御連絡いただきますよう重ねてお願いいたします。
災害防止に関する関係法令等
事故防止策の例
送電線設備に対する事故を未然に防ぐための、現場の実態に即した離隔確認方法をご紹介します。
No.1 ブームからロープを下げる
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・重機のブームからロープを下げて使用。高さの目安とする。
<保安パトロール者の確認内容>
・ロープを取り付けて距離を確認する。
・赤旗がGLより上がっていないか。
No.2 危険区域を明示する

・危険区域の境界に標識等を張り、立ち入り制限目安とする。
<保安パトロール者の確認内容>
・保安距離を確保した区域に標識を設置したか。
・ブーム等の先端が安全区域内か。
No.3 ブーム長さを制限する
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・ブーム角度が一定時、ブームの伸縮の制限目安のためブームにマーキングする。
・節目数で管理する。
<保安パトロール者の確認内容>
・制御ブーム長を確認しマーキングする。
・マーキング箇所よりブームが出ていないか。
No.4 重機の設置位置を選定する
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・重機の設置位置を選定し、保安距離を確保する。
<保安パトロール者の確認内容>
・ブーム長が最長時でも保安距離が確保出来る位置か。
・区画ロープ以内か、または重機が稼働していないか。
No.5 ブーム角度で制限する
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・重機のブームと重機本体間にワイヤーを取り付け、ブーム角度を制限する。
・ブーム角度板でブーム角度を制限する。
<保安パトロール者の確認内容>
・ワイヤーの取付状態と確度を確認する。
・ワイヤーの取付部の外れ、または切断状態で作業を行っていないか。
No.6 重機の性能で制限する
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・ブーム角度、長さをセットし制限する。
<保安パトロール者の確認内容>
・セット出来る性能を有しており、セット内容はよいか確認する。
・セットを外していないか適時確認する。
No.7 制限高さのポールを立てる
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・重機制限高さに相当するポールを立て目安とする。
・やじろべーを取り付けて目安とする。
<保安パトロール者の確認内容>
・ポール高さが制限距離に合っているか確認する。
・重機の先端がポール高さ以内か。
・やじろべーの高さが保護線以内か。
No.8 保護ロープを張る
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・保護ロープを張って高さ制限の目安とする。
<保安パトロール者の確認内容>
・保護線高さが制限距離に合っているか。
・重機の高さが保護線以内か。
No.9 保護柵を作る
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・保護柵を作り高さ制限の目安とする。
<保安パトロール者の確認内容>
・保護柵の高さが制限距離に合っているか。
・重機の高さが保護柵以内か。
No.10 機種で制限する
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・重機の機種を選定し、保安距離を確保する。
・重機最大高でも労安法以上の離隔距離は確保出来る。
<保安パトロール者の確認内容>
・機種の高さが制限高さかを確認する。
・グランドレベルの変化がないか。
・重機の最大高さが打ち合わせより変更になっていないか確認する。
No.11 据付地盤を下げる
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・重機の設置地盤を掘り下げ、保安距離を確保する。
<保安パトロール者の確認内容>
・掘り下げ深さは、打ち合わせした深さか確認する。
・重機の最大高さが打ち合わせより高くなっていないか確認する。