プレスリリース・記者会見

「2022年度第1四半期決算」松田社長会見要旨

2022年7月29日
北陸電力株式会社


 本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。日頃、皆さまには、当社の事業運営に格別のご高配を賜り、この場を借りて厚くお礼申しあげます。
 また、今日も本当に暑い日になっております。今夏におきましては、皆さまに生活や生産活動に支障のない範囲で節電にご協力をいただいているところであります。誠にありがとうございます。

 まず、お手元の資料1「2022年度第1四半期決算について」をご覧ください。

 はじめにスライド1の「販売電力量」ですが、小売販売電力量は、62億8千万kWhと、前年同期に比べ5千万kWhの増加となりました。
 これは、電灯が、4月の気温が前年より高かったことによる暖房需要の減少などにより減少した一方、電力が、6月の気温が前年より相当高かったことによる冷房需要の増加や、契約電力が増加したことによるものです。
 また、卸販売電力量は、14億5千万kWhと、前年度に比べ3億9千万kWhの減少となりました。これは、卸電力取引所等への販売が減少したことによるものです。
 この結果、総販売電力量は、77億3千万kWhと3億4千万kWhの減少となりました。

 次に、スライド2の「連結決算概要」をご覧ください。
 連結売上高(営業収益)は、1,635億円と、前年度に比べ412億円の増収となりました。これは、燃料費調整額が増加したこと等によるものです。
 また、連結経常利益は123億円の損失となり、前年度に比べ177億円の減益となりました。

 続きまして、スライド3で、前年度からの連結経常利益の変動要因について説明いたします。
 まず、悪化要因として、総販売電力量の減少により15億円程度、水力発電量の減少により20億円程度、石炭価格等の高騰影響により70億円程度、卸電力市場高騰により再生可能エネルギー交付金が減少したことによる購入電力料の増加で60億円程度、設備関連費の増加により30億円程度、それぞれ悪化しております。
 一方、経費全般の削減などにより20億円程度の好転となり、連結経常損失が123億円となったものです。
 次に、連結決算概要の「主要諸元」ですが、申し訳ございませんが、もう一度スライド2にお戻りください。
 為替レートは2022年度第1四半期の平均が129.9円/$と前年度と比べ20.4円/$の円安、原油全日本CIFは110.8$/bと43.9$/bの高騰、石炭全日本CIFは298.3$/tと190.8$/tの高騰と、石油石炭とも大幅に上昇しております。
 燃料価格の高騰影響については、別紙「燃料諸元の価格推移について」をご覧ください。
 まず石炭ですが、昨年度より高値基調で推移してきたところ、本年2月末からのウクライナ情勢の影響などにより、さらに高騰しており、日々変動しておりますが、高値傾向は変わっておりません。原油価格も同様です。
 また、本年2月以降、燃料費調整収入が制度上の上限価格に到達しております。2022年第1四半期における超過した単価は、平均で+0.95円/kWh(税込み)であります。昨日公表の9月分燃料費調整単価により超過した単価は+5.04円/kWh(税込み)と約5倍に増加しており、今後も含めて2022年度の業績に、かなりの悪化影響を及ぼすと想定しております。別紙「燃料諸元の価格推移について」は以上です。

 次に、スライド4の「2022年度業績予想および配当予想」について説明いたします。
 まず、業績予想については、ウクライナ情勢等により高騰した燃料価格および電力市場、それぞれ今後の動向が見通せないこと、さらに、夏場の需給状況等を見極めていく必要があることから、前回公表と同様「未定」としております。
 次に、配当予想についてですが、2022年度第1四半期決算断面において大幅な損失を計上したことなどを踏まえ、中間配当予想においては、「無配」とさせていただきます。
 中間配当の無配については、大変重く受け止めていると同時に、株主の皆さまおよびステークホルダーの皆さまに大変ご迷惑をおかけしお詫び申し上げます。何卒ご理解をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 なお、期末配当予想については、今後の収支や財務状況等を勘案のうえ総合的に判断する必要があるため、前回公表と同様「未定」としております。

 次に、スライド5をご覧ください。
 「2022緊急経営対策本部」についてご報告させていただきたいと思います。当社を取り巻く環境はこのような厳しい経営環境であり、まさに戦時下との認識のもと、本年3月に「2022緊急経営対策本部」を設置いたしました。収支改善策をあらゆる対策につきまして検討を行い、一定の取りまとめができたところでございます。
 安定供給に支障のない範囲で、あらゆる施策についてゼロベースでの見直しを行い、約140億円の緊急避難的な改善策を取りまとめました。
 なお、改善額140億円の金額水準は、震災以降の平均連結経常利益110億円でございますので、その額の大きさが分かると思います。
 主な改善策としては、需給運用・燃料調達で40億円程度の改善であります。例えば、電力・燃料価格の変動にリアルタイムで対応する市場取引の実施や、リスク発生の兆候をより速やかにとらえた需給対策の実施などであります。
 次に、修繕工事、経費全般で100億円程度の改善であります。例えば、火力発電所の劣化が見られる煙突塗装について、これまでは一定の期間を経たものは塗装しましたが、塗装の厚さを測定し、安全性に問題ないことを確認したうえで延期することや、あるいは、AI(web化)等を駆使し、社員教育の集合形態を見直すことによる旅費等の経費削減などであり、あらゆる改善策を積み上げこのような数字に至ったものであります。

 続いて、資料3の電気料金の取り扱いについてご説明いたします。
 先程ご説明しました通り、「世界的な燃料価格」や「卸電力取引市場価格」の高騰により、当社の昨年度(2021年度)決算に続き、2022年度第1四半期決算が赤字となるなど、当社を取り巻く厳しい経営環境が続いております。
 今年3月に設置した緊急経営対策本部などを活用し、当社としてできる限りの経営効率化を進めておりますが、世界情勢が混沌としているなど、今後も厳しい事業環境が続くものと認識しております。
 一方で、国の審議会において、高圧や特別高圧のお客さま向けの標準的な電気料金メニューについて、標準メニューでの受付再開に向けた見直しや検討を速やかに進めることが期待されるとの方針が示されました。
 当社としても、国の方針を踏まえ、できる限りお客さまのご要望にお応えする観点から、この度、遅くとも2023年4月1日から供給を再開できるよう、標準メニューの見直しの検討を開始いたします。
 なお、標準メニューの受付は、供給開始の3か月前までに再開する予定であり、詳細は改めてお知らせいたします。
 また、今後も緊急経営対策本部で取りまとめた改善策をはじめ、当社としてできる限りの効率化の深掘りを進めてまいりますが、今後の燃料調達や電力設備の保全等、電力の安定供給を維持する観点から、電気料金全般に関する取り扱いについても、合わせて検討を行ってまいります。
 いずれにしても、当社グループの最大の使命は、電力の安定供給であります。その使命を今後もしっかり確保するとともに、北陸地域の発展に貢献できる企業であり続けられるよう、一丸となって努めてまいります。

 私からの説明は以上です。

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