「2023年度第3四半期決算」松田社長会見要旨
2024年1月31日
北陸電力株式会社
本日は、大変お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。また、平素は当社の事業運営に格別のご高配を賜りこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
2023年度第3四半期決算について、お手元の資料に基づき順次説明させていただきます。
まず、お手元の資料1「2023年度第3四半期決算について」をご覧ください。
はじめにスライド1の「販売電力量」ですが、小売販売電力量は、175億6千万kWhと、前年同期に比べ15億7千万kWhの減少となりました。これは、電灯においては、記録的な猛暑による冷房需要の増加があったものの、春先の気温が高かったことによる暖房需要の減少に加え、新型コロナウイルスの5類移行に伴う外出機会の増加、省エネ・節電意識の高まり等により需要が減少したこと、電力においては、契約電力の減少に加え、工場の稼働が減少したことなどによるものです。
また、卸販売電力量は、27億5千万kWhと、前年度に比べ19億6千万kWhの減少となりました。これは、卸電力取引所等への販売が減少したことによるものです。
この結果、総販売電力量は、203億1千万kWhと35億3千万kWhの減少となりました。
次に、スライド2で「連結決算概要」について説明いたします。中段の表をご覧ください。
連結売上高(営業収益)は、5,937億円と、前年度に比べ135億円の増収となりました。これは、小売・託送料金の改定や燃調タイムラグによる増収です。
また、連結経常利益は851億円と前年度に比べ1,601億円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は603億円と1,361億円の増益となり、4年ぶりの増収増益、3年ぶりの黒字となりました。
なお、主要諸元として、為替は6.8円の円安、燃料については、原油・石炭・LNGとも前年度に比べ大幅に低下しております。
スライド3およびスライド4「燃料諸元の価格推移について」をご覧ください。
燃料諸元である「石炭」「LNG」とも、昨年はウクライナ侵攻以降、大幅に急騰しておりました。
一方、本年は、価格が低下しております。従って、「石炭」「LNG」とも昨年は上昇局面、本年は低下局面ということが見てわかります。
次にスライド5「燃料費調整額の期ずれ影響イメージ」をご覧ください。
燃料費調整額の諸元は、約半年程度の期ズレがあります。図の青点線は燃調収入のイメージ、赤線については当月の燃料価格のイメージとなります。
図の右側、2023年第3四半期については、燃調収入の諸元が比較的高い実績でありますが、実際の燃料は当該月に購入する価格であり、その時期ずれが発生します。今期は、燃料価格が低下局面であり、実際の燃料価格と燃調収入との差益が350億円発生しております。
次に、図の左側、昨年第3四半期は今期とは逆で、実際の燃料価格と燃調収入との差損がΔ500億円発生しております。前年対比では、今年度の差益350億円と前年度の差損Δ500億円で、差し引き850億円の好転となるタイムラグ差がありました。
続いて、スライド6で、前年度からの連結経常利益の変動要因について説明いたします。
まず、悪化要因につきましては、総販売電力量の減少により200億円程度、水力が出水率の低下による発受電量の減少で80億円程度、水力・火力発電所修繕など設備関連費の増加等により100億円程度、それぞれ悪化しております。
一方、好転要因として、昨年からの事業全般にわたる効率化を継続しており、中でも需給運用において日々きめ細かく管理、電力市場の積極的活用等をはじめとする効率化の深堀りにより計120億円程度を捻出しております。
また、市場価格低下により、再生可能エネルギー交付金が増加したことによる購入電力料の減少等で110億円程度、お客さまにお願いさせていただいた小売料金改定により750億円程度、託送料金改定により150億円程度、燃料費調整額のタイムラグとして前年度分が500億円程度、今年度分が350億円程度、それぞれ好転しております。
第2四半期に引き続き、今回も、燃料費調整額のタイムラグによる影響が大きいものとなっております。今般も350億円程度の増収影響となり、連結経常利益851億円から、タイムラグという一過性の他律要因を除くと、500億円程度の利益水準となります。
次に、スライド7で「2023年度業績予想および配当予想」について説明いたします。
今回の業績予想の、能登半島地震による影響といたしましては、まず、販売電力量への1~3月の影響については、軽微ではないかと見込んでおり、これまでの減少傾向を織り込んでおります。
七尾大田火力発電所は、少なくとも今年度内の復旧は難しく、年度内停止することを前提としております。
総販売電力量については、第3四半期までの減少傾向を見込んで、10億kWh減の280億kWhと見込んでおります。
業績予想について、連結売上高は、総販売電力量の減少などを踏まえ、下方修正しております。
スライド8の連結経常利益の年度見通しの変動要因をご覧ください。
前回10月公表の連結経常利益の年度見通し400億円は、秋口から冬場にかけて燃料価格が高騰していくという前提で考えているため、燃調タイムラグは発生しないという前提で発表させていただいております。
ただし、第3四半期の時点で、すでに350億円程度の利益が燃調タイムラグの影響で出ております。燃料価格が通期で想定して高騰するという見方ではなく、落ち着いた動きを見せていることから燃調タイムラグの影響は年度を通して400億円程度の好転要素と見込んでおります。
一方、七尾大田火力発電所が年度内停止することによる市場調達も含めて100億程度の悪化を見込んでおります。合わせて、今年度の連結経常利益を700億円程度と予想しております。
親会社株主に帰属する当期純利益については、能登半島地震による特別損失を織り込む必要があります。現時点で復旧途中であることから、総額を示すことができないため、当期純利益については未定とせざるを得ないと考えております。
配当予想につきまして、2023年度期末配当については、当期純利益を未定としているものの、前回10月に公表いたしました「1株当たり7円50銭」から変更いたしません。
以上が2023年度第3四半期決算の概要です。私からは以上になります。