「2024年度第1四半期決算」松田社長会見要旨
2024年7月30日
北陸電力株式会社
本日は、大変お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
日頃、皆さまには、当社の事業運営に格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。
元日に発生した能登半島地震からおよそ7か月が経過しました。被災された皆さまにはあらためて心からお見舞いを申し上げます。当社グループにおける電力設備等の被害状況は、これまでお知らせしているとおり、停電については昨年度中に復旧完了。また、広範囲にわたるボイラー管の損傷等、甚大な被害が発生した七尾大田火力発電所は、協力会社やメーカーと一丸となり、夏季の高需要期に間に合うよう復旧に取り組んだ結果、2号機が5月10日、1号機は7月2日に運転再開することができました。
しかし、電柱や電線等の配電設備は、未だ応急復旧なところも多く、今後本格復旧に取り組んでいく必要がありますが、被害のあった約3,000本以上の電柱建替え工事等、道路の復旧状況にあわせて進めていかなければなりません。今後、長丁場になることと予想されますが、本復旧に向けて全力で取り組んでまいります。
また、北陸地方は梅雨明けしていませんが、連日猛暑が続いており、夏本番を迎えています。電力需給については、全ての火力発電の体制が整っており、電力の安定供給に必要な予備力を十分確保しておりますが、今年は全国的に猛暑の夏です。エアコンなど、必要な熱中症対策をとっていただいたうえで、皆さまにおかれましても、引き続き電気の効率的なご使用にご協力を頂きますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、2024年度 第1四半期決算について、お手元の資料に基づき順次説明させていただきます。
まず、お手元の資料1「2024年度第1四半期決算について」をご覧ください。
はじめにスライド1の「販売電力量」ですが、小売販売電力量は、53億9千万kWhと、前年同期に比べ1億2千万kWhの減少となりました。
これは、電灯において、春先の気温が低かったことにより暖房需要が増加したものの、電力において、契約電力が減少したことや、工場の稼働が減少したことによるものです。また、卸販売電力量は、13億9千万kWhと、前年度に比べ7億kWhの増加となりました。これは、卸電力取引所等への販売が増加したことによるものです。
この結果、総販売電力量は、67億8千万kWhと5億9千万kWhの増加となりました。
次に、スライド2で「連結決算概要」について説明いたします。中段の表をご覧ください。
連結売上高(営業収益)は、1,876億円と、前年度に比べ53億円の減収となりました。これは、燃料価格の大幅な低下に伴う燃料費調整額の収入が減少したことなどによるものです。
また、連結経常利益は352億円と前年度に比べ57億円の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は264億円と39億円の減益となり、3年ぶりの減収減益決算となりました。
続きまして、連結経常利益・四半期純利益の変動に大きく影響している燃料調整のタイムラグについて説明いたします。
まず、スライド3「燃料諸元の価格推移について」をご覧ください。当社主力の燃料諸元である「石炭」について、ウクライナ侵攻後は急騰しておりましたが、2023年当初あたりから価格が大幅に低下していることが見てとれます。これが、燃料調整にどのような影響が出ているかについて、説明いたします。
次に、スライド4「燃料価格と燃料費調整額の期ずれ影響イメージ(前年対比)」をご覧ください。燃料費調整額の諸元は、約半年程度の期ズレ影響があります。グラフの赤実線はその月の燃料価格です。すなわちその価格で我々は燃料を購入することになります。青の点線は燃調収入の前提になる燃料価格です。まず、2023年度を見ていただきますと、赤線の燃料価格、青線の燃調収入ともに低下していることがわかります。青線の燃調収入は約半年遅れで反映される仕組みでありますので、赤線の燃料価格の後から下がり始めることになります。2023年度は実際に我々が購入する赤線の燃料価格は下がりましたが、それに見合う青線の燃調収入は依然と高いままなので、200億円程度の大きな期ズレ差益が発生しておりました。次に、2024年度を見ていただきますと、青線の燃調収入の低下が赤線の燃料価格に近付き、差が縮小していることがわかります。その結果、燃料価格と燃調収入の期ズレ差益は、10億円程度まで縮まっております。 したがって、2023年第1四半期のタイムラグ差益が200億円、2024年第1四半期のタイムラグ差益が10億円であるため、差引した190億円が、前年対比における大きな収支悪化要因となっております。
続いて、スライド5で、前年度連結経常利益409億円からの変動要因について説明いたします。
まず、悪化要因につきましては、
・先ほどの燃料費調整額のタイムラグ(前年度との差引)で190億円程度
一方、好転要因として、
・発電設備における定期点検等の設備関連費減により70億円程度、
・総販売電力量の増加により30億円程度、
・昨年、お客さまにお願いさせていただいた規制部門の小売料金改定の認可が6月となったことにより、今年4~5月、2ヶ月分の影響で30億円程度、それぞれ好転しております。
これらにより連結経常利益が352億円となりました。
次に、スライド6で「2024年度業績予想および配当予想」について説明いたします。
総販売電力量および連結業績の2024年度予想について、前回公表から大きな変動はないことから、4月公表値から変更いたしません。また、配当予想につきましては、4月にお示しした通り、中間を1株あたり7円50銭、期末を7円50銭、年間を15円の配当予想を据え置きとさせていただきます。今後も当社の最大の使命である電力の安定供給を確実に行うとともに、継続して経営効率化に取り組み、毀損した財務基盤の回復および今後の成長に向け努めてまいります。
以上が2024年度第1四半期決算の概要です。
続いて、七尾大田火力発電所における災害廃棄物への対応について説明いたします。
今般の能登半島地震により、家屋などから発生した廃棄物が、大量に発生しており、災害廃棄物の迅速かつ適切な収集・処理が喫緊の課題となっています。そのような中、石川県から災害廃棄物を七尾大田火力発電所で処理できないかとの検討依頼を受けました。これに対し、当社としては最大限協力することとし、家屋等の解体がれきから生じる「木くず」をチップに加工し、七尾大田火力発電所の石炭に混焼し発電する方向で準備を進めているところです。
今後、発電設備への影響や安全面・環境面でも問題がないことを確認したうえで、早ければ来月中にも災害廃棄物の混焼を開始できればと考えています。能登半島地震により北陸地域が大きな被害を受ける中、当社としては、電力を安定的にお届けすることを最大の使命として、復旧作業を進めてまいりました。
そのうえで、さらに地域に根差す企業として、能登の一日も早い復興に向けて「こころをひとつに能登」のスローガンのもと全力で取り組んでまいります。
今後も、当社の活動に対してご理解・ご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。
私からの説明は以上になります。
発表資料はこちら(下記URLリンク)から
資料1 2024年度第1四半期決算について
https://www.rikuden.co.jp/press/attach/24073001.pdf