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刻々と変化する電気の消費量(需要)に応じて、発電量(供給)を調整する中央給電指令所。
品質の高い安定した電気をお届けするため、24時間体制でコントロールする。
大動脈ともいえる主要送電網を表示した巨大な電力系統監視盤のほか、電力使用状況モニター、雷レーダー、天気図など、数々のデータを映すモニターが何台も並ぶ。それらのデータに目を注ぎ、電気の消費量に応じて各発電所の発電量を調整する「需給担当」と電気が流れる送電系統に故障や異常がないか監視する「系統担当」、そしてこの独立する2人の担当者をまとめる「指令長」の3名が刻々と変化する電力需給状況にチームワークで俊敏に対応する。
電気は性質上蓄えておくことができないため、時々刻々と変化する電気の消費量に応じて発電量を合わせる必要がある。24時間、3交替で日夜電力をコントロールし、常に電気の周波数を60ヘルツに保つ。指令するタイミングや判断力が問われる現場である。
中央給電指令所では、電気の消費量を予測し、発電計画を立てる。年間計画をベースに、月間、週間、そして天気図を見ながら当日の消費量を予測する。しかし、突然の気象や気温の変化により電力の消費量が予想を上回る場合もある。
急な電力消費量の伸びに対しては水力発電の出力を増やす。火力よりもスピーディに出力を増加できるからだ。瞬時にこうした発電特性を考慮し適切な電源を判断していく。「判断する際に重要なことは、不測の事態が発生した場合、どのように対応するのかを常に考えておくこと。電力の消費量が予想を上回ったら、急に雨が降り出してきたら、発電所がトラブルで停止したら…自問自答を繰り返し、発生する事象に臨機応変に対応する力が必要になる」。
安定して電気を送り続けるため、全員でリスク管理を徹底している。
また、北陸地域だけでなく日本全国の状況も知っておかなければ、安定した電気をお届けできない。各総合制御所や発電所のほか、他電力との情報のやり取りや連携が重要になる。
「チーム内での情報の共有化はもちろん、次に交替するチームへの引き継ぎも1時間ほどかけて細かく行う。電力消費量の状況や気象の変化、発電所の作業状況などのちょっとした情報でも、のちの安定供給に影響を与えるかもしれない。リスク管理のための情報共有は非常に大切になる」という。
さらにコスト面でもより一層の効率化を図るため、発電にかかるコスト管理を徹底している。「石炭や重油など、使用する燃料の種類によって発電にかかるコストが大きく変わるため、どのように発電を組み合わせれば最も効率的となるのか常に意識して調整している」。
いかに効率よく、品質の高い安定した電気をお届けするかが中央給電指令所に課せられた使命なのである。
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