<高圧フィーダー>一括での対策例
常時商用給電 直列補償方式
動作原理
- 常時は高速スイッチより商用給電を行います。(コンデンサは充電状態、インバータは停止状態でスタンバイしています)
- 瞬低が発生すると高速スイッチをOFF状態にします。それと同時にインバータが低下した電圧分を発生し、負荷に一定の電圧を供給します。
特徴
- 補償時間 60%電圧低下で0.35秒100%電圧低下で約0.1秒(※1)
- 常時の損失が小さいシステムです。
- 瞬低対策専用です。停電すると負荷への供給はできません。
- スイッチOFFとなるまで数ミリ秒の瞬低があります。
常時商用給電 並列補償方式
動作原理
- 常時は高速スイッチを通して商用給電を行います。(インバータは停止またはエネルギー源へ充電している状態です)
- 瞬低が発生すると高速スイッチをOFF状態にします。それと同時にインバータから100%電圧を供給します。
特徴
- 補償時間 100%電圧低下で10秒~数時間(※1)
- 常時の損失が比較的小さいシステムです。
- 停電しても負荷へは100%電圧が供給できます。
- スイッチOFFとなるまで数ミリ~十数ミリ秒の瞬低があります。
- エネルギー源として鉛蓄電池、ナトリウム硫黄電池(NaS電池)、フライホイールが製品化されています。(※2)
常時インバータ供給方式(UPS)
動作原理
- 常時は商用電源の交流を整流器で直流に変換し、インバータにより再び交流に変換して負荷に供給しています。
- 瞬低が発生するとエネルギー源からインバータへ直流電流が供給されます。インバータから負荷へは常に安定した電力が供給されています。
特徴
- 補償時間 100%電圧低下で1分~数時間(※1)
- 瞬低の発生は皆無です。
- 瞬低、停電はもちろん周波数変動、高調波の影響を受けません。
- 常時の損失が比較的大きいシステムです。
- エネルギー源として鉛蓄電池、NaS電池、レドックスフロー電池が製品化されています。(※2)
- ※1:エネルギー源を増量することにより補償時間を延ばすことができます。
- ※2:NaS電池やレドックスフロー電池を採用すれば、常時は負荷平準化(デマンド抑制)としての利用もできます。