瞬時電圧低下により影響を受ける機器とその影響範囲は左図のとおりです。(出典:電気協同研究第46巻第3号)
なお、左図の特性は、実測の一例であり、メーカの保証値ではありません。機種や負荷の状況によっても特性は異なります。
お客さまにおける瞬時電圧低下の対策
弊社では、雷や着氷雪による停電を減らすために送電線に避雷装置や相間スペーサを設置するなど電力品質の確保に努めておりますが、電力流通設備側の対策では完全に瞬低を防止することは困難です。したがって、瞬低を許容できない場合など、極めて高い電力品質が必要なお客さまは、雷情報などを活用して操業形態を変更されたり、お客さま自らが設備対策を講じられることをお勧めいたします。
設備対策としては、機器ごとに対策する方法または高圧フィーダーを一括して補償する方法があります。
具体的な例としては、次のとおりです。
機器ごとの対策例
機器及び装置 | 主な対策 | 内容 |
---|---|---|
電磁開閉器 | 遅延釈放型マグネットの採用 | 製品および機器保護面に影響のない範囲で、瞬時電圧低下時のマグネットスイッチの開放時間を遅らせる。 |
パワエレ応用可変速モータ | 自動再起動型インバータの採用 | 電圧低下時にモータ制御機能をロック状態とし、電圧復帰後、自動的に正常運転に戻す機能の付加。 |
不足電圧継電器 | 動作時間の変更 | 製品および機器保護面に影響のない範囲で、不足電圧継電器の動作整定を見直す。 |
パソコン、ワープロ | 小型無停電電源装置(小容量UPS) | 補償範囲が比較的小容量(パソコンなど)の場合に適用。 |