電話やインターネットによる申し込み・問い合わせは、年間70万件を超える。停電や故障の問い合わせの場合、電話で詳しい状況を伺い復旧方法をアドバイスしたり、必要に応じて作業員を手配するなど、応対はそれぞれ異なる。お客さまのご要望に、迅速、的確に応対すること、それが彼女たちの役割だ。
少しでも早く電気をつなぐために大切にしていることは、「お客さまと同じ立場で、同じ目線で応対すること」だという。たとえば高い位置に取り付けられたブレーカーの操作をお願いする場合、高齢のお客さまにとっては大変な作業となる。こうした状況では、無理に操作をお願いせずに、すぐに作業員を手配する。
操作方法を説明する場合は、「ブレーカー」のことを「黒いスイッチのようなもの」と、専門用語をできるだけ使わずに色や形で説明するなど、分かりやすく伝える工夫をしている。
また、お客さまは電気が使えない不便な状況で、焦りや不安、恐怖心、または苛立ちを感じているかもしれない。お客さまからしっかり状況を聞くために、まずは気持ちを和らげ、安心してもらう。
そのためには、お客さまと同じ電気が点かない暗闇に身を置いたことを想像し、「大変ご不便をおかけしております」「大丈夫です」「お困りですね」とお客さまの心に寄り添いながらゆっくりと丁寧に話をする。彼女たちは、この心を何より大切にしている。
「電話の応対は声だけのつながり。顔の表情を見せられない分、話すスピードやトーンに気をつけながら声で表情を表すようにしています」。
こうした、お客さまの置かれた状況をよく理解し、それに応じた的確なアドバイスをすることが、いち早い復旧につながるのだ。
応対に関して基本的なマニュアルはあるが、彼女たちは電話の「声」からお客さまの状況や気持ちを感じ取り、柔軟な対応を心がける。
「1秒でも早く電気をおつなぎしたいという思いで応対し、お客さまから“ありがとう”と言われた時、達成感や喜びを感じる」という。安定した電気を届けるために、365日24時間体制の彼女たちの心のこもった応対が、今日も続いていた。
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