会議の様子1
第10回原子力安全信頼会議
平成28年5月18日、当社は第10回原子力安全信頼会議を開催しました。
<議事概要>
1.日 時 平成28年5月18日(水)13:00~15:00
2.場 所 金沢電気ビル(当社石川支店)
3.出席者 【委員】石田委員長、大橋委員、大場委員、庄田委員、中村委員、能木場委員、
菱沼委員(計7名)
【当社】金井社長、赤丸副社長、西野副社長、石黒常務、園常務、
新村志賀原子力発電所長、髙橋原子力部長、前川土木部長、吉村地域広報部長、
桑原地域社会部長、高松品質管理部長(計11名)
4.議事要旨
(1)北陸電力からの説明
・金井社長の開会あいさつ後、「志賀原子力発電所敷地内シ-ムに関する対応状況」、「発電設備の不適
切事案に対する再発防止対策の取組み状況」、ならびに「志賀原子力発電所の状況」として「新規制基
準を踏まえた安全性向上工事の状況」および「パフォ-マンス向上に向けた取組み」を説明し、その後
「パフォ-マンス向上に向けた取組み」を中心にご意見を伺いました。
(2)委員からの主な意見
<志賀原子力発電所敷地内シ-ムに関する対応状況>
・これまでの有識者会合では、有識者だけで審議された感じだが、今後の新規制基準への適合性確認審
査では、原子力規制委員会と北陸電力の双方で議論しながら審議が行われる。原子力規制委員会が
示す課題のポイントを十分に把握して、議論のズレを回避し、的確かつ迅速に審査に対応して頂きたい。
・大袈裟に言えば、北陸電力の主張と有識者会合の見解の間には、技術対イデオロギ-という部分が
あったので、今後は客観的・合理的な議論により原子力規制委員会にご理解頂けるよう頑張って頂きた
い。
<発電設備の不適切事案に対する再発防止対策の取組み状況>
・再発防止対策として、隠さない風土と安全文化の向上に取り組んで9年が経過したが、福島事故以降、社
会的情勢を含むさまざまな変化が起きている中で、従前のままの取組み、あるいはチェック方法が適切
であるかを検討すべきではないだろうか。また報告においては、改善事項がわかりやすいようにして欲し
い。
・重大な失敗であっても隠すことなく報告しやすいように、経営層が直接従業員に語りかける取組みの継
続は重要である。失敗を隠さず報告し、みんなでカバ-し合える組織は、従業員が明るく、やりがいをも
って働けると思う。
<新規制基準を踏まえた安全性向上工事の状況>
・安全性向上工事を数多く行っているが、新規制基準から求められる工事と、自主的に実施している工事
を分けてアピールすることで、北陸電力の安全に対する姿勢が分かり易くなる。
・安全性向上工事の費用が、北陸電力の安い電気料金に影響しないか心配である。料金値上げに繋がら
ないよう経営効率化に一層努力頂きたい。
・現在は技術的に必要なものを揃える工事であることは理解しているが、実際に使う状況を考えたときに、
人間工学的な視点を取り入れることも必要である。特に緊急時対策棟は、使命感やパフォーマンス等の
向上に繋がる工夫を検討頂きたい。
<パフォーマンス向上に向けた取組み>
・エクセレンス(世界最高水準)を目指して、社外の原子力専門家から意見を頂くことは、素晴らしい取組み
である。その上で、意見をそのまま受け入れるのではなく、現場の実態を踏まえて十分に議論し納得し
て、高みを目指していって欲しい。
・世間ではスクラップ&ビルドが盛んに言われているが、古い仕組みにも良いところがある。新しい仕組み
に置き換えていくときに、古い仕組みの良いところをなくさないよう留意することが大事だと思う。
・職場の管理職が、改善すべき課題をわかっていながら、改善できなかったか、あるいは改善すべきことを
気づいていなかったのかの整理が必要である。もし前者であれば、まずできなかった原因を解決しなけ
ればならない。解決しないまま対策を立てても上手くいかないと考える。
・様々な事態を想定する努力は非常に大事であるが、やるべきことがどんどん多様化・複雑化していく面が
ある。一方で、人の対応力には限界があるため、手順書を単純化していく努力も必要である。
また、全くの想定外が起きた場合、手順書は役立たないので、本当に必要とされることは何かの検討も
必要である。
・シミュレータ訓練において、クリティーク(訓練の都度、批判的視点から反省事項を抽出等する手法)の導
入を検討しているが、訓練を評価する人が、周りから評価する人として相応しいと思われていることが重
要である。
・安全性向上工事により設備の安全性が向上しているだけでなく、パフォーマンス向上の取組みにより、働
いている人の質(事故対応能力や安全最優先の意識など)も向上していることをアピールすることが、地
域の皆さまの安心感に繋がるのではないか。
・パフォーマンス向上には、悪いことを減らすという視点でだけでなく、より良いことを増やすという視点をも
つことが効果的である。また、良いことを新たにはじめようとしても、その挑戦が結果として失敗してしまう
こともあり得る。そのようなときに、挑戦したことそのもの、あるいはより良い方向を目指したことを褒める
文化を持っているかが重要になる。そのため、パフォーマンス向上の取り組みを行うにあたっては、各取
組み全てについて整合がとれていることが大切である。
<全体その他>
・北陸電力が情報発信する資料では、クリティークやマネジメント・オブザベーションなど、カタカナが多く使
われていて分かり難いので工夫頂きたい。
・先月、原子力事業者の相互協力の協定を締結した新聞報道を見たが、電力各社で協力できることは、で
きるだけ協力した方が良い。
・発電所の停止が長期間になり、運転経験者が徐々に卒業していく。確率論的な評価やパフォーマンスの
向上など、新しいことに取り組んでいくとともに、運転経験者の貴重なノウハウを、上手く若い世代に引き
継ぐような仕組みも考える必要がある。
以 上
会議の様子2
会議の様子3
会議の様子4