会議の様子 1
第19回原子力安全信頼会議
2021年4月22日,当社は原子力安全信頼会議を開催しました。
議事概要
1.日時 2021年4月22日(木) 13:30~15:30
2.場所 金沢電気ビル
3.出席者 【委員】 石田委員長,大場委員,中村委員,能木場委員,
菱沼委員,山口委員 (計6名)
【当社】 金井社長,石黒副社長,大西常務,米原原子力本部副本部長,
古谷志賀原子力発電所長,小田土木建築部長,木村地域社会部長,
福村原子力部長,谷内地域広報部長,新山地域共生本部部長,
北川原子力安全推進部長 (計11名)
4.議事要旨
(1)議事概要
今回は,「志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(敷地内断層・周辺断層)の状況等について」等を
説明し,質疑,応答を交えご意見を伺いました。
(2)委員からの主な意見
<志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(敷地内断層・周辺断層)の状況等について>
・北陸電力の断層の調査・分析は非常に丁寧に実施されていると考える。一方で,どこまで調べるのが合理的
なのかという目安が必要ではないかと思う。カーボンニュートラルのためには原子力発電の持続的な活用が
求められるが,そのためには予見性を持って運転できることが大切である。断層問題についても,現状の
リスク活用あるいは安全目標まで踏み込んだ議論が必要ではないか。
・地震の問題は,アメリカ流に言えば,不確かさがあるので確率論で判断するのが合理的だということになる。
それは,小さなリスクを許容することは不適切ではないということである。新検査制度を含めて全般にわたって,
どこまでのリスク増加まで容認し,利用していくべきかという議論が必要な共通の問題であると思う。
<発電所の意識向上及び業務高度化等への取り組み>
・モチベーションを上げていくためには,自分が貢献していて,それが正当に評価されているということが重要。
志賀原子力発電所員の意見でも,重要な使命を担っているという自覚を持っていたり,様々な表彰を行って
評価されており,非常に頑張って取り組んでいる印象を受けた。
・モチベーションの維持・向上のためには,事業や自分の業務についての予見性があることが大切である。
適宜,社員に対して,事業や業務の今後を見通せるようなメッセージを発信していっていただきたい。
・再稼働に向けての先行きがなかなか見えない中,志賀原子力発電所員の士気が下がらないよう様々な
取り組みを行っていることに頭が下がる思いである。また先般,志賀町を取材した様子がテレビ放送されて
いたが,地元の方々も,何とか早く志賀原子力発電所が再稼働できるように願っていることが感じられた。
安全で安心できる志賀原子力発電所が再稼働できることを願っているので,頑張っていただきたい。
・志賀原子力発電所において長期ビジョンを作成しているが,それが社内全体の中でどういう位置付けになる
のか,あるいは業界の中でどういった意味を持つのかを考えながら取り組んでいくことが,モチベーションにも
繋がるのではないかと思う。
・志賀原子力発電所の長期ビジョンの実現に向けて積極的に取り組んでいるが,社内の活動に留まっているように
感じる。今は電力全体で様々な取り組みを行っていく時代でもあり,ぜひ,他電力などの外部と活動を共有し,
社員の方々が外にも目が向くような工夫をした方が良いと思う。
・志賀原子力発電所の長期ビジョンは非常に良い取り組みであるが,体制図には横串を通す役割のものが見当たら
ない。各分科会の性格として,縦系列のものと部門横断的なものがあり,それらをどう関連付けていくのかが
今後の課題だと思われる。
・社長,志賀原子力発電所長と所員のフランク対話は,顔を合わせて話をすることで,言いづらいことも言える
ような関係が構築できる大切な機会であり,今後も継続していただきたい。また,対話の中で,プラスの意見
だけでなく,ネガティブな意見も出るようになれば,本当の意味での対話ができていると思われるため,
そのような環境づくりをしていっていただきたい。
・若い人ほど周りに合わせようとする傾向が強いように感じる。しかし,原子力発電所で業務を行っていく
うえでは,きちんと言い合えることが重要であるため,フランク対話においても,そもそも意見が出にくい
傾向であることを念頭にどのようにすべきか,しっかりと考えていただきたい。
・プロ意識向上活動の効果があまり上がっていないという説明があったが,リスクの感受性をもう少し向上
させる必要があるのではないかと感じる。例えば,社外のそういった研修に参加した者に,他社の状況や
取り組みなどを発信してもらい,共有することも有効だと思う。
・今後,福島第一原子力発電所事故時に志賀原子力発電所で勤務していなかった世代が増えていく中,
さまざまな対策がなされたことによって,同様の事故は起き得ないと冷めた目で見てしまう人が出てくる
懸念がある。事故をどう捉えるのか,改めて考える必要があると思う。例えば,社内向けのビデオも,
事故はなぜ起きたかという説明をかなり技術面に特化して作られているように感じるが,事故前の
組織の文化,安全文化等の話にも触れるべきではないか。ぜひ,文化,姿勢,意識等の内容を取り入れた
ものとしてもらいたい。
・新しい取り組みを色々と実施していることは素晴らしいが,今まで行ってきた取り組みをやめることも
重要である。そうしなければ,忙しくて,何のためにこれを行っているのか考える暇もないまま,
目の前のことをとにかくこなすだけという状況に陥りかねない。考えるという余裕を持つためには,
業務のスクラップ&ビルドが必要だと思う。
<まとめ>
・2050年のカーボンニュートラル実現に向けて,原子力発電所の再稼働を加速するだけでなく,新増設や
リプレースも含めて,エネルギーに対する真剣な議論が今後加速されることを期待したい。
・ベースロード電源として,日本では原子力発電の重要性が再認識されることを信じているが,安心,
安全が前提にあると思う。安心・安全への取り組みは,人間が中心になって行うべきという意識が
あるかもしれないが,一部に古い感覚のものもあると思われることから,AI等の新技術をもっと
積極的に取り入れても良いのではないか。
・原子力は特に,技術的評価と社会的評価に差が大きく,技術的評価では大したことがないものも,
社会に大きく報じられることがある。こうした技術の評価と社会の評価のアンバランスを生まない
ためには,普段から,北陸電力がどのように技術評価をし,それに基づく対策をしているか,どのように
判断をしているのかを,社会に積極的に発信し,対話していくことが重要だと思う。
・本日の会議では各委員から多くの意見が出されたが,北陸電力として真摯に受け止めて,今後の
志賀原子力発電所あるいは会社全体の運営に活かしていただきたい。
・今後のカーボンニュートラルへの対応や,新しい原子力技術者の養成等は,大きな課題であると
認識しているが,これらに対応していくという意味でも,志賀原子力発電所の再稼働は全国的に
見て非常に重要な位置づけにあると思う。ぜひ,全社あげて再稼働に尽力いただきたい。
会議の様子 2
会議の様子 3
会議の様子 4