会議の様子 1
第13回原子力安全信頼会議
平成29年10月3日、当社は原子力安全信頼会議を開催しました。
議事概要
1.日 時 平成29年10月3日(火)12:30~15:10
2.場 所 志賀原子力発電所
3.出席者 【委員】石田委員長、大場委員、庄田委員、中村委員、能木場委員、
菱沼委員、山口委員(計7名)
【当社】金井社長、石黒副社長、園副社長、髙橋常務、米原原子力部長、
古谷志賀原子力発電所長、吉村地域広報部長、木村地域社会部長、
小田土木部部長、大西品質管理部長、北川品質管理部部長
(計11名)
4.議事要旨
(1)北陸電力からの説明
・金井社長の開会あいさつ後、「志賀原子力発電所の状況」、「所員の働き方改革及びモチベーション
維持・向上について」、「志賀原子力発電所新規制基準適合性確認審査(敷地内断層)の状況」、
「原子力に関する理解浸透活動」、ならびに、「原子力部門の安全推進に関する活動」について説明し、
質疑、応答を交えてご意見を伺いました。また、安全性向上工事や敷地内断層も視察していただきました。
(2)委員からの主な意見
<志賀原子力発電所の状況>
・「安全文化が醸成されている」というコメントがあるが、安全文化とは、コンプライアンスなどに限定されたもの
ではなく、技術力や使命感など、より幅広いものであるため、どのように安全文化を捉えているのか。あるいは
本当に安全文化が醸成されているのかどうか、担当部署は、コメントの背景を掘り下げて考える必要がある。
・アメリカでは、原子力規制委員会が1989年に運転員の行動規範に関する政策声明を出してから、2011年に
安全文化の政策声明を出すまでに約20年もかかっている。この例を見てもわかるように、安全文化の構築は
大変に時間がかかるものである。北陸電力においても、まだまだ息の長い問題だと捉え、安全文化の定着活
動を継続していってほしい。
・安全性向上工事の進捗により、発電所の施設が増加しかつ複雑になっていくため、今後は、全体の構造等を
しっかり見渡すことがさらに重要である。
<所員の働き方改革及びモチベーション維持・向上について>
・モチベーションに関して、所員の意見を吸い上げるのは大変に良いことであるが、その意見への対応が所員の
目に見える形にならないと、却ってモチベーションを下げる可能性がある。是非、適切に対応いただきたい。
・発電所において、「働き方改革」によって効率化を図るためには、まず、プラントのことを良く知ることが大切で
ある。プラントをよく知っていれば、安全をしっかりと確保した上で、色々効率的な活動が採れることになる。マ
イプラントという意識を持たせ、モチベーションを上げていく努力を継続していただきたい。
・今後、所員に女性が増えていく中で、女性が働きやすい職場を目指すという視点を忘れないでほしい。
・コミュニケーションの取り方として、業務の中でのフランク対話という方法も有効だが、業務外の休憩所などでの
気軽な会話が有効だという話もある。色々な方法でコミュニケーションを深めていってほしい。
・「計画外で作業をストップさせられた」など、電力会社側が気付いていない不満を持っている下請会社がいると
聞く。下請会社とはしっかりコミュニケーションを取って、不満が溜まらないようにすることも、トラブル防止には
有効である。
・社内のコミュニケーションを良くすることで社内の雰囲気が良くなり、色々な情報が共有されるようになる。そし
て、社員がそれぞれの情報を理解することで、さらに北陸電力の強みが増していくと思う。
・産業界の最重要課題である「働き方改革」の根本は、生産性の改善である。そのためには、AI、IoTなどの先進
的技術を積極的に活用していくことが重要である。
<志賀原子力発電所新規制基準適合性確認審査(敷地内断層)の状況>
・断層の現場を見て、これは規模の小さいものであり、断層というよりは、まさに小さいシームであると感じた。早
期解決を期待したい。
・敷地内断層の問題については、地層の専門家ばかりではなく、色々な分野の専門家の意見を聴くことで、問題
の解決が早くなるのではないか。
<原子力に関する理解浸透活動>
・社外向けの説明資料は、自分たちのやっている安全対策の正当性及び妥当性を説明する内容となりがちであ
る。一方、聴く側は、たとえば不安全なところがどう対策されているのかというように、違う要望を持っている。す
なわち、自分たちの言いたいことではなく、聴く側の要望に応える資料となっているかを常に考えていただきたい。
・電気料金の値上げなど、直接、原子力の話ではないことを源とする、原子力の安全対策への疑問の声が上がる
こともあるかと思われる。そうした疑問にも応えられる広報の在り方についての検討も必要だと思う。
・女性の原子力に関する理解度が低いのは、知識だけの問題ではなく、男性にはある仕事関係などによる北陸
電力関係者とのつながりがないことも影響しているのではないか。見学後のアンケート等で北陸電力に対する
信頼度の変化も測定してはどうか。
・理解度向上を図る方法として、東京における電車の中のニュースのように、音声を出さなくても内容が分かるもの
を、食堂や通勤バス内で繰り返し流すやり方もある。
<原子力部門の安全推進に関する活動>
・監視や監査のマンネリ化、硬直化及び複雑化を防ぐためには、最初の基本方針が重要となる。監視や監査は、
常にその基本方針に基づいて進めていってほしい。
・独立監視と独立監査をレベルで分けているようだが、役割分担が明確にできるレベル分けになっているようには
見えず、制度設計あるいは運営として無理があるように感じる。民間規格、社内規則を上回っている部分での改
善は、部門内監視に任せ、独立監視は良いところを抽出し、それを伸ばしていく視点に立つなど、より役割を明確
にすべきと考える。
・部門内監視で重要なのは、改善するためのプランの策定である。プランがしっかり検討されているか否かで、PD
CAの有り様が大きく異なる。部門内監視においては、社内だけではなく、他社や海外の状況を踏まえた上で、各
部署が充実したプランを策定できるよう支援していくことが重要である。
<まとめ>
・マネジメント、リスクガバナンス及びリーダーシップを向上させようとする現在の活動は、非常に素晴らしいレベル
にあるが、国民の間には、それが逆戻りするのではないかという懸念があるので、劣化しないようしっかりと定着
させていってほしい。
・停止中の原子力発電所において、モチベーションを維持するのは容易なことではない。そういう意味からも、原子力
の信頼性・安全性の確保について十二分に注意しながら、再稼動が早く可能になるように努力していただきたい。
・これからは、女性が原子力発電所で働く機会が増えてくると思う。その女性の力が、原子力発電所の安全性・信頼
性向上につながることを期待する。
・役員を始めとする北陸電力の社員の皆さんには、健康に十分留意して、活動を続けていただきたい。
以 上
会議の様子 2
会議の様子 3
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