8.日本の今後のエネルギー需給見通しと北陸電力の取組み
日本の今後のエネルギー需給見通し
2021年10月22日に、政府はエネルギー政策の基本的な方向性を示すため、エネルギー政策基本法に基づき「第6次エネルギー基本計画」を策定しました。
ここでは、東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故からちょうど10年の節目であり、福島復興を確実に進めていくこと、いかなる事情よりも安全性を最優先とすることが、エネルギー政策を進めるうえで大前提であること、またエネルギー政策を進めるうえでは、安全性(Safety)を前提としたうえで、エネルギーの安定供給(Energy Security)を第一とし、経済効率性の向上(Economic Efficiency)による低コストでのエネルギー供給の実現、および環境適合(Environment)を図るS+3Eの視点が重要と考えられています。
そのうえで、第6次エネルギー基本計画では、
・2020年10月に表明された「2050年カーボンニュートラル」や2021年4月に表明された新たな温室効果ガス排出削減目標の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示すこと
・気候変動対策を進めながら、日本のエネルギー需給構造が抱える課題の克服に向け、安全性の確保を大前提に安定供給の確保やエネルギーコストの低減に向けた取組みを示すこと
の2つが重要なテーマとして策定されています。
日本は資源に恵まれない国であること、また全ての面で優れたエネルギーはないことから、エネルギー源ごとの強みが最大限に発揮され、弱みが補完されるように、多層的なエネルギー供給構造を実現することが不可欠です。そこで、政府は第6次エネルギー基本計画の中で、2030年度の新たな削減目標を踏まえ、徹底した省エネルギーや非化石エネルギーの拡大を進めるうえでの需給両面におけるさまざまな課題の克服を野心的に想定し、2030年度におけるエネルギー需給の見通し(エネルギーミックス)を示しました。
※出典:経済産業省HP
<2030年度におけるエネルギー需給の見通し>
出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー2021年度版」
電源の多様化に向けた北陸電力の取組み
IT革新による高度情報化社会の進展により、生活のあらゆる側面で電気の役割が高まっています。日本は総エネルギー消費量に占める電力消費量の割合(電力化率)や1人あたりの電力消費量が主要先進国の中でも高い水準にあります。人口の減少や省エネの進展、節電意識の高まり等の需要減少要因がある一方で、これからも少子高齢化やデジタル化の進展による電気の用途拡大が見込まれます。そうした電力需要に応えていくために、電力会社は安定的かつ長期的に電力の確保に努める必要があります。
北陸電力グループは、電力の安定供給および低炭素社会の実現という責務を果たすため,電源の脱炭素化に向けた取組みをはじめとして,より一層の電源の多様化を推進しています。